このブログの目的
「失われる50年」というブログのタイトルは、「失われた30年」の原因となってきた問題を解決しなければ、停滞はさらに20年、いや、もっと長く続くだろう。問題の根幹には、日本社会全体における5つのDに対する意識の欠如がある、というメッセージを込めています。
Dignityは日本語で「尊厳」と訳しますが、簡単に言えば、「ひとりひとりが誇りをもって生き、そして最後を迎えることができる権利」であり、「権利に対応するひとりひとりの力」を意味しています。
そしてこの権利と力を実現する社会の条件が、「多様性」(Diversity)、「デジタル」(Digital)、「持続可能な成長」(SDGs)、「民主主義」(Democracy)であると、私は考えます。
このブログでは、日本経済新聞(NIKKEI電子版)を中心にその他のメディアの記事や資料で重要なものを、5つのDのカテゴリーに分類して集めました。そしてその骨子と図表を示し、私のコメントを加えました。一部に私のオリジナルのエッセイも含まれます。このようにして日本の停滞の背後にある問題点をさぐり、「失われた50年」にしないために誰が、何をすべきかを考えてみようと思っています。
私の見通しは悲観的です。おそらく「失われた50年」となるでしょう。しかし仮にそうなったとしても、「ひとりひとりが誇りをもって生き、そして最後を迎えることを選択できる力」は努力すれば持つことができます。そしてこの力を持つためには、考えることを続けるしか方法はありません。このブログが、少しでも多くの人が、特に若い人たちの考えるきっかけになることを願っています。
日経などからの引用部分は文字色がこの色になっています。
5つのDについて
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